少年の頃読んだ、ホーソンの短編『人面の大岩』を思い出しました。
アーネスト少年は貧しい小さな村で生まれ、その村で成長してゆきました。
村のはずれに人の顔をした大きな岩がありました。
村には昔から言い伝えがあり、いつかこの谷にあの人面の大岩とそっくりな顔をした
立派な人が現れるとお母さんから聞かされていました。
やがて、村出身の高名な軍人や宗教家が村へやってきましたが人間的には村の人々を
救うような人物ではありませんでした。
少年は岩と会話をしつつ成長し、村人のお世話もしながら老人となりました。
村に詩人もやってきましたが、私はそんな人物ではないと否定しました。
その詩人がアーネスト老人をよく見ると、あの大岩にそっくりな顔をしていました。